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映画やビデオを観たらココ?に書くねー。
最近観た映画orビデオ(★の数が多いほど評価が高い=標準で3つ、最高5つ)
アニマトリックス
日本語版
原題:THE ANIMATRIX
★★★★★ 本編「マトリックス」なんかより、はるかに上質な「マトリックス」アニメ版で9本のマトリックス・アナザ・ストーリー。
アニメオタクのウォシャウスキー兄弟が「売れたし儲かったし、こーなったら大好きな日本のアニメーターになんか作ってもらおーよー!」と言ったか思ったかは知らないけど、9本中、7本が日本のアニメーターによるもの。なので日本語版で観たほうがいい。
参加アニメーターは、スタジオ4℃のアニメ仙人・森本晃司、映画「Party7」冒頭アニメの小池健、「ラストエグザイル」のGONZO前田真宏、「カウボーイ・ビバップ」の渡辺信一郎、「バンパイアハンターD」の川尻義昭。それに映画「ファイナルファンタジー」スタッフによるオープニングとピーター・チョンなる人のエンディング(この2本は邪魔な感じ。やはりアニメは日本に限るね)、という布陣。
このなかで森本晃司による「BEYOND」が圧倒的に素晴らしい。この1本のためにソフトを買ってもいいくらい。次に小池健による(脚本は川尻義昭)「WORLD RECORD」がスゴイ。
必見のオススメ!見逃すな!
凶気の桜
★★★★ ヒキタクニオの同名小説を、主演の窪塚洋介が企画を持ち込んで製作された、今風シブヤ系極道映画。
監督はこれがデビューとなる薗田賢次。この監督は、この映画で音楽を担当したK DUB SHINE率いるラップグループ・キングギドラのプロモーションビデオを作った人だそうな。
と聞いて、予告編を観たりした人は「あ〜いわゆる窪塚ね。で、ってゆー」と思うだろうが(オイラもそー思っていた)、実は製作がセントラル・アーツ黒澤満、脚本が丸山昇一、撮影が仙元誠三という東映ニューシネマの人々。松田優作をはじめとするニュータイプな東映アクション映画を作りだしてきた人たちなんである。そうそう甘っちょろいアイドルアクションにはさせないんでした。
すっかり天狗な窪塚クンも、そこはシッカリ読めたようで、キッチリこの物語の主人公を演じている。これがなかなかイイ。
ナショナリストを気取り、渋谷にいるチャラけた連中を退治していく「ネオ・トージョー」という暴力三人組。この三人が、右翼連中のイザコザに巻き込まれ自滅していく様を描いた物語。
前半の「ネオ・トージョー」の暴れっぷりがイイんだけど、後半破滅の道に巻き込まれていく過程がまたよく描けてんだな。変にドラマになってなくてキチンと「映画」にしようとしている姿勢が気持ちいい。やはり映画は画面の積み重ねで見せないといけないのだ。
窪塚クンが訴えたかった問題提議ってのは青くて宙に浮いてしまってるけどね(笑)それはそれ、ベテラン丸山昇一がキチンとまとめてくれている。
この映画で一番光っていたのは実は窪塚じゃなくて「消し屋」という殺し屋を演じた江口洋介。無表情でサラリと仕事をこなす様が実にカッコイイ。
ただいくつかアララな点がある。この映画にヒロインは必要だったのか?それとそのヒロインが最初に主人公を見た姿が「仮面ライダーV3」に見えるってのもどうか。全く場違いな上に流れすら止まってしまってるけど、イイのかあれで。
一番の問題点はラストシーン。あの演出は蛇足だと思うんだけどなあ。せめて「桜の木をカメラがクレーンダウンしていくと、川に白い服の死体が浮いている」でいいと思うが。
と、そういうとこがあっても、やはり必見な一作!
窪塚クンのヒット作「GO」よりも、さらに映画賞総ナメだった「たそがれ清兵衛」なんかよりもずっと映画として上質。
恋に唄えば♪
優香(映画初主演)と、いっつも同じコント芝居で飽き飽きの竹中直人主演のミュージカル風ファンタジーラブコメディ。
そして久々に味わう圧倒的なゴミ映画。ダメ映画の見本。
製作・原作の一瀬隆重も監督の金子修介も、そもそもミュージカル、コメディ、ギャグの素養どころか、映像のみで構築していく純粋映画の資質すらない人間で、この手の映画じゃそーゆー部分が最も必要とされるってのがわかってないらしい。
金も無いのに無理矢理陳腐なMGMミュージカルのモノマネしたって醜悪なだけ。
竹中直人も、いつどこで何を演じても、やってること(ギャグ、とゆーより悪ふざけ)が同じってのはどういうことだ。誰も注意しないのか?いい加減にしてほしい。
それでも「極悪」評価じゃないのは、優香が思いの外コメディエンヌとしての才能が見えたことに星ひとつつけたため。テレビで志村けんと組んでるのはダテじゃないんだなあ。
火山高
日本語版
原題:火山高 VOLCANO HIGH
★★ 日本のマンガ(しかも二流の=笑)に影響受けて作られたと思われる、韓国製の特撮学園バトル映画。場所も時代も架空という、まさにマンガ。この話、日本なら間違いなくアニメで製作してるんだろうな、しかも深夜枠で。
後半、特にクライマックスのバトルは、もんのすごくカッコイイんだけど、前半がダルンダルンで安っぽい。途中で観るの辞めようかと思ったほど。
観たのは日本版なわけだけど、吹き替えのみならず、画面も日本版として加工されているのが面白い。韓国版とはシーンすら違うらしい(DVD特典で観られるそうな)。凝ったことするもんだ。吹き替えもアニメで活躍している有名声優が当てているので、アニメ感がさらに強い。
これ続編が作られそうな気がする。もういいけど(笑)
ラストシーン
英題:LAST SCENE
「リング」「女優霊」の中田秀夫監督が、映画職人たちにオマージュを捧げた、バックステージ映画。日韓合作。デジタルビデオHD-24で全編撮影されている。
中田監督自身、日活で助監督をしていた経験があるそうで、職人たちの現場に尊敬と愛着があるのはわかるんだけど、想いと技術はまた別物でして、この映画から受ける印象は「安い」「古い」「ショボい」「タルい」という邦画に対する悪口言葉がピッタリなんですね。脚本も全く良くない。なにより演出技術が最低なんですよ。「濡れ場無しの三流ピンク映画」を観てるような感じ。
星ひとつは、ドラマーのジョニー吉長の怪演に。ただでさえ細身なのに、10kgも減量して挑んだそうで、見た目スゴイ迫力。セリフ回しはド素人ですけどね。
マイノリティ・リポート
原題:MINORITY REPORT
★★★★ フィリップ・K・ディック原作のSF短編を、トム・クルーズ主演、スティーブン・スピルバーグ監督で作り上げた大ヒットSFサスペンス。
スピルバーグの職人芸と映画オタクぶりがイイ意味で前面に出て、一回は確実に楽しめる快作に仕上がっている。
トム・クルーズも押さえた演技で、追われる立場に追い込まれる捜査官をカッコよく見せている。
彩度を極端に押さえた画面が実に素晴らしく、編集の技も冴えていて、特に前半グイグイと世界に引き込まれていく。後半から終盤にかけてチと弱くなる構成も(なので2度観るのはツライのだけど)物語世界に没入できれば、2時間半の間、ハラハラドキドキの近未来世界を楽しめる。
この映画はそもそもポール・バーホーベン監督が「トータル・リコール」直後に立ち上げた企画で、シナリオ初稿は「トータル〜」の脚本家ゲイリー・ゴールドマンとロナルド・シャセットが書き上げたが、バーホーベン監督が「ショウガール」に着手したために、売りに出され、「スピード」を撮り終えたばかりのヤン・デ・ボン監督の手に渡り、ゴールドマンとシャセットは2回書き直し、さらに脚本家ジョン・コーエンが書き直す。その脚本をトム・クルーズが気に入り、旧友スピルバーグに声をかけたところ乗り気になり、脚本家スコット・フランクに書き直しさせる。こういう二転三転の経緯で出来たのがこの作品なんだそうな。映画のクレジットでは「脚本」にはコーエンとフランクの名を記載し、最初に脚本を書いた2人とヤン・デ・ボンは「製作」になっている。
この映画はとにかく引用に満ちている。そこがスピルバーグのオタクぶりの所以なんだけどね。「フレンチ・コネクション」を目指して作られ、「マルタの鷹」と「三つ数えろ」にオマージュを捧げている。
物語を構成する要素としてヒッチコック映画・キューブリック映画(特に「時計仕掛けのオレンジ」)・リドリー・スコット映画(特に「ブレード・ランナー」)の名シーンが散りばめられている。それを「面白い」と感じるか「セコい!」と感じるかが、この作品の評価を分けるところでしょうね。オイラは面白かった。
地下鉄車内のシーンで「バニラスカイ」のキャメロン・クロウ監督が新聞を読む男としてカメオ出演しているが、その後ろに座って目だけ見える女性は実はキャメロン・ディアス。スピルバーグが「バニラ〜」にカメオ出演したお返しなんだそうな。
個人的には事件の核となる溺死させられる中年女性が、「サスペリア」のジェシカ・ハーパーだったのに仰天。若い頃の面影無いんだもん(笑)
REM(レム)
日本語版
原題:CHASING SLEEP
★★★ 名バイプレイヤーのジェフ・ダニエルズ扮する不眠症の大学教授。ベッドで気づくと妻の姿がない。どこにもいないし、どこに行ったのかもわからない。不安から睡眠薬を増やす。時間軸は壊れ、現実感も喪失していく。アチコチに現れる奇妙な事象。訪れる人々の妙な行動。
これは夢なのか現実なのか、それとも夢と現実が交錯しているのか。
その不安と恐怖に襲われる大学教授の視点に観客も追い込まれていく。
脚本と監督を担当したマイケル・ウォーカーは、長編デビューとなる本作で「次世代のデヴィッド・リンチ」と称されたそうな。
確かに似てる。だけど手触りが似ているだけに物足りなさも感じてしまう。常に「リンチだったら、ココはもっと突っ込んだろうなあ」と考えてしまう隙があるのだ。
リンチの映画を観ている人と、観たことのない人で感想が大きく違うだろうね。リンチ映画に触れたことがない人にとっては恐るべき映画だと思う。
ジェフ・ダニエルズの演技が圧倒的に素晴らしい。脇役陣も素晴らしいぞ。
至福のとき
日本語版
原題:幸福時光 HAPPY TIMES
チャン・イーモウ監督による都市裏町版ヒューマン・コメディ。フリークス映画の趣もある。
「初恋の来た道」「あの子を探して」に続く三部作の完結編だそうな。
田舎や、歴史を描くととてつもない手腕を発揮するイーモウだが、現代の都市を描くとたちどころに勢威を失う。ヘタッピなんである。これは萬屋錦之助が時代劇では圧倒的に光るのに、現代劇に出るとダメダメだったのに似ている。
原作は「紅いコーリャン」のモー・イエンの同名小説だが、小説で描かれているのは映画冒頭の廃バスを勝手にラブホテルにするというところだけで、それ以降の盲目の少女中心とした物語は映画オリジナルだとか。
盲目の少女を演じたドン・ジエは5万人のオーディションを勝ち抜いて選ばれたそうで、体重を10kgも落として、このカリカリに痩せた少女を演じている。コン・リー、チャン・ツィイーに続く逸材と言われてるそうな。タレントの千秋に似てるけどね(笑)
物語の終わり方も無理矢理な感じがしてどうも気にくわない。画作りを含め、どこか80年代の日本のテレビ番組みたいなんである。本国版と海外版(我々が観るのはコッチ)ではエンディングが違うそうなんだけど、本国版も確認したいなあ。なんで変えたのかね。
イーモウ作品は次回作の武侠モノに期待しましょう。
チェンジング・レーン
日本語版
原題:CHANGING LANES
★★★ 将来を約束された若い白人弁護士(ベン・アフレック)と、家族を取り戻したい一心で家を買おうとしている元アル中の黒人中年男(サミュエル・L・ジャクソン)。そのふたりが高速道路の車線変更地点で接触事故を起こし、あと一歩の希望が失われそうになる。そこからふたりの人生が車線変更されるって内容なんだけど、その実「イイ大人のイジワル嫌がらせ合戦」映画。それがもう唐突に、やったらやり返すで、イヤガラセの応酬。特に弁護士の狼狽ぶりはほとんどギャグに近い。
脇役にウィリアム・ハートや映画監督のシドニー・ポラックを配しているのが効果的。特にポラックの嫌味な弁護士(上司)の演技はそこらの役者より上。
しかしこの映画の特筆すべき点は、カメラと編集の技術で、そこを堪能する映画だと言ってもいいくらい「絵」がスゴイ。
ジョンQ
日本語版
原題:JOHN Q
★★★ 貧しい黒人一家の息子が心臓病で死にそうになる。移植が必要だが、保健システムが変更されてて適用除外されてしまい、父親は周囲の助けも借りて金の工面に走り回るが、移植費用には到底追いつかない。最後の手段として、銃を片手に病院に立て籠もり、息子の手術をしてくれと頼む。父親が最後に目論んだ計画とは・・という家族愛&米国保険制度糾弾「狼たちの午後」似映画。
デンゼル・ワシントンと、古株刑事ロバート・デュバル、それにエリート街道を歩んできたバカ署長レイ・リオッタの演技合戦と、刻々とせまるタイムリミットが見もの。
監督はジョン・カサベテスの息子、ニック・カサベテス。冒頭の一見関係なさそうなシーンから、クライマックスまで一気に見せきる手腕はお見事。
お見事だけど、2カ所どうしても納得できないシーンがあった。ネタバレになるから書けないのが残念だけど、いいのかアレで。その*****な感じが感動を薄めている。残念。
でも日本の保健制度に守られている我々は幸せなのかもしれないと思う作品であった。
たそがれ精兵衛
★★ 日本のあらゆる映画賞を総ナメにしたものの、海外では全く相手にされなかった、山田洋次監督による初時代劇。
見始めてゲンナリしたのはナレーション。国際的大根女優・岸恵子によるドヘタなナレーションが延々と流れるんである。それも映画なら絵で見せねばならないシーンすら、この最悪な語りで済ますというありさま。最悪である。これじゃあ海外で評価されるわけなかろう。映画になっていないのだ。
「まず黒澤先生に観てほしかった」とは山田の弁だが、激怒されたに違いない。
しかも「リアル」と「リアリティ」の違いについても分かってらっしゃらないみたいで、凝りまくって作ったセットも真っ暗な照明も、映画として効果的に使われていない。キューブリックの「バリーリンドン」でも参考になさったらいかがであろうか。
ほとんど全ての女優賞を受けた宮沢りえについても、評価するほどのもんじゃない。
上司役の小林稔侍もヒデーもんである。そこだけコントにしてどうしようというのか。
ラストシーンも醜悪だが、そこに流れる井上陽水の曲が物語に全く合っていない。陳腐。
ただ、真田広之と、舞踊家の 田中泯は特筆すべき素晴らしさ!
真田の小太刀使いはホレボレする見事さだし、田中のデビュー当時の仲代達也を彷彿とさせる立ち姿のカッコよさには鳥肌が立った。またそれを押さえたカメラも見事。当然星ふたつはこのふたりに。
ザ・リング
日本語版
原題:The Ring
大ヒットした「リング」のハリウッド・リメイクで、邦画版をほぼ完全に再現している。
んが、「薄気味悪さの感じ方」が東洋人と西洋人で違うもんなのだなぁと。
東洋風の幽霊感を忠実になぞっているんだけど、その表現は直接的でモンスターに近い。それはサマラ(貞子のこと)のデザインでも同様。凶悪凶暴な感じはするが、まとわりつくような湿った恐怖感はゼロ。
邦画版が成功したのは、情念、怨念、湿った生暖かさという伝統的な恐怖感に加え、都市伝説めいた理解不能の恐怖感、背後などの死角に感じる気配・・等々の映像化に挑んだところだったんだと思うんだけど、この映画ではその部分がなされていない。つーか西洋人には感覚的につかめなかったのかもしれない。
それと物語の核となるビデオ映像も邦画版のほうがはるかに薄気味悪くできていた。洋画版はいかにも心理分析できそうにパッキリしている。これじゃあねえ。
だからといって邦画版が優秀ってわけでもないんだけどね(笑)

現在、続編が制作中。邦画とも原作小説とも全く違うオリジナル・ストーリーになるという。
Dolls
★★ 北野武監督作品10本目。今回の静かなる作品は、「菊次郎の夏」「BROTHER」なんかのゴミ映画よりはるかに上質、ひょっとしてヌーベルバーグだなんて思ってるやもしれない映画に仕上がっている。
問題点は山積だけど決してクズ映画じゃなく、単に失敗作。侮れない。
冒頭、近松の「冥土の飛脚」っつー人形浄瑠璃から始まるんだけど、実はこの映画、全編が人形浄瑠璃の実写版という仕組み。つまり「浄瑠璃人形が夢想する物語(監督談)」。そこを見失うと最後まで「はぁ?」ってなると思う。そうじゃなくても最後は腰砕けなのだから(笑)
物語は、気の触れた元恋人と赤いヒモで結び「つながり乞食」と呼ばれ歩き続けるカップル、公園のベンチで昔の恋人を待ちつづける女とヤクザの親分になっている男、事故で顔に傷を負ったアイドルと自ら目を潰した追っかけ、と大きく三つに分かれている。それらを繋ぐのが「つながり乞食」の無言の歩き。
この「つながり乞食」がすごくイイ。まさに「映画」。浄瑠璃描写も他のふたつの話もいらない。さらにアノ唐突すぎる最後のワンショット(死の描写)もなければ五つ星の傑作になったやもしれぬ。ひょっとして「あの夏、いちばん静かな海」とダブるとでも思ってあえて避けたのか?この乞食を演じた菅野美穂と西島秀俊が特筆の素晴らしさ!
ヨウジ・ヤマモトによる衣装(特に「つながり乞食」)が問題にされてるようだが、気にならない。あの衣装が画面を夢幻なイメージにしてるのだ。
それに比べて他の2編はヒドすぎる。陳腐。
宣戦布告
「北」の潜水艦が日本の沿岸に漂着、特殊部隊が侵入したらしい。さて、そのとき日本政府はいったいどういう対応をするのであろうか、っていうシミュレーション映画。ものすごくタイムリーだが、実際に映画が作られたのは3年前の小渕首相のときだったってんだから驚きだぁ。その時点で首相の設定を小泉さんだったらとしたのが先見の明ありってことで。ただその首相役が古谷一行ってのはどうか。ん〜。
原作は麻生幾というドキュメンタリ畑の人で、この原作が初小説作品だそうな。製作・脚本・監督はドキュメンタリから始まって、米国でインディペンデンス映画を作ったりしてた石侍露堂という人。
さて作りようによっては、もんのすげー怖く、とてつもなく面白い傑作が生まれてもおかしくないこの設定なんだけど、チャチぃ。安っぽい。いわゆる「だから邦画はダメなんだよなー」ってヤツの典型。
茫洋として寝ぼけたカメラ、バランス悪い照明、ダラダラの編集。30年前かいって言いたくなるダサダサの銃撃戦。ダメ邦画の見本であります。あーもったいない。いいネタなのになあ。
ピンポン
英題:ping pong
★★ 松本大洋の同名マンガを、「池袋ウエストゲートパーク」等で人気の宮藤官九郎(通称クドカン)が脚本、「タイタニック」のCGを担当した特撮マン曽利文彦が初監督、窪塚洋介主演という布陣で映画化し、若者から圧倒的に支持されヒットした全編デジタル撮影の卓球映画。
とにかく目で見える範囲でいえば、そーとースゴイ。例えばアニメを見たときに感じる画面の勢いみたいなものが実写で再現されてる。これには仰天。クドカンによるセリフ作りも決まっているし、登場人物がひとり残らず絵になっている(窪塚と竹中直人のいつもの芝居には辟易だが)し、音楽もカッコいい。最期まで一気に飽きずに観れた。
だがしかしところが実に空虚なんである。飽きずに観れるのに、見終わったときのガッカリ感。ものすごい凝った箱に目を見張り、開けてみたら空っぽだったって感じ。なんなんでしょ、これは。
物語が伝統的なスポ根から一歩も出ていないから?登場人物は目一杯熱いのに、作りは「そういうのってダセーよな」とでも言いたげで気取って見えるから?それとも、カットバックの処理が不自然でモタつくという技術的な問題?
つまり物語の描き込みが薄くて、基本的な映画術の未熟さが、見終わった後の空虚感を生んだのかって事なんだけどさ。傑作になりえる要素テンコ盛りなだけにヒジョーに残念。

曽利監督の第二作目はやはりマンガ原作のフル3DCG「アップルシード」に決定。現在俳優を使ってモーションキャプチャ中なんだってさ。
リターナー
英題:Returner
★★★ これ、このまんま絵にしたら、サンライズ製作のアニメじゃんか!ってそんなタッチの実写映画。
子供向けSF映画の傑作「ジュブナイル」を作った、VFX会社「白組」の山崎貴が脚本・監督・VFXを担当した「特撮のための特撮映画」。だからか、物語は過去の有名SFアクション映画からのいただきモノのオンパレードで、まるでコラージュのよう。そういう部分には興味がないのかもしれない。日本でもこのくらいの映像効果が出せるんだもーん、カッコイイでしょー、という印象を受けた。特撮屋が陥りそうな部分ではあるが。
それだけに見た目は確かにえらくカッコイイ!映像も特撮も、役者の見た目すらとにかくバッチリ決まってカッコイイ。
特に鈴木杏!彼女のカッコよさといったら!!それだけの映画と言い切ってもいいくらいカッコイイ!!!目がね、いいんだなぁ。身のこなしも素晴らしいし、なんといっても銃がこんなに似合う子供(だよね?)って他にいないだろう。もっとスサマジイ銃撃戦の真ん中に置いてあげたい気持ちになる。今度はぜひ石井隆監督や三池崇史監督のハードアクション映画に主役で出ていただきたい。
カッコイイといやぁ、金城武だってトンデモなくカッコイイぞ。見た目は。アニメから抜け出したようなカッコよさ。「トライガン」のバッシュ役や、「カウボーイ・ビバップ」のスパイク役の実写をやってもハマるんじゃないかってくらい。いや冗談じゃなく。しかしねえ、芝居がねえ、セリフまわしがねえ、小学生の学芸会でももう少しマシなんじゃないのってくらいヒドイ。誰か声優に吹き替えさせるって手は考えなかったのか?全てをイッキに台無しにブチ壊す威力を持った大根ぶりである。
あと、山崎監督の感傷的なシーンの演出はドヘタ。ド素人演出。ヒデーもんである。どうせならそういうシーンは無しにすりゃあよかったのだ。
宇宙人のデザインだってトホホの情けなさではあるんだが。
コラージュみたいな物語・金城のセリフ・宇宙人デザイン・感傷的シーン、これがなかったら星5つにもなったかもしれない可能性を持った映画だった。まーそんなの無理だろうけど(笑)
ヒマつぶしに観るなら損しない程度には面白い。色んな意味で(笑)
スパイダーパニック
日本語版
原題:EIGHT LEGGED FREAKS
★★ 2本立て上映のオマケのようなB級モンスター映画である。そういう意味では堂々としていて気持ちがいい。
製作総指揮がローランド・大風呂敷・エメリッヒ。50年代の米国製バカSFやらゴミホラーが大好きなんだろうな。それらを最高の特撮技術で作り直したらスッゲー面白ェよ!と思ったに違いない。
それはこの映画に関しては、ある意味大正解!もうね、ウッジャウジャ出てくる巨大クモの襲撃はスゲーぞ、楽しいぞ。それだけの映画なんだから当たり前といえば当たり前なんだけど、想像以上にハンパじゃなくイイ出来。
でも、そのほかの部分は全部ヘニャヘニャ(笑)。恐怖映画なのにコントみたいな二流のシナリオを、二流の役者が大根丸出しで大暴れ。それをさらにノータリンに仕上げているのが音楽。
だから星2つなのではない。このジャンルは星3つで最高得点だと思っていただきたい。つまりかなりの好評価なんである(笑)決してゴミ映画なんかじゃないのだ。
それは人気も証明していて、なんと続編が製作決定だそうな(笑)
インソムニア
日本語版
原題:INSOMNIA
★★ インソムニアは「不眠症」という意味だが、この映画は睡眠薬のようである。
冗談はさておき、この映画は「メメント」のクリストファー・ノーラン監督による、ノルウエーの同名サスペンス映画のリメイク作品。
白夜のアラスカの町で17歳の少女の変死体が発見された。ロス警察の刑事ドーマー(アル・パチーノ)とエクハートが応援にやって来る。ドーマーは豊富な経験を駆使し、犯人のフィンチ(ロビン・ウィリアムズ)を海辺の小屋におびき出すが、深い霧に犯人を見失ったうえに、誤って相棒を射殺してしまう。その事実を地元警察に告白しそびれたドーマーは白夜のせいもあって不眠症に陥る。不眠が続いた3日目の早朝、ドーマーのもとに少女殺しの犯人フィンチから電話がかかってくる・・・。
やっぱね、リメイクに良作無し。そこには作品を作らねばならなかった「熱」も「意味」も無いからなんですがね。オリジナル観てないから元がイイ出来なのかどうか知らないけど。
主演は大仰な芝居が何故か定評がある、アル・パチーノとロビン・ウィリアムス。だがこの映画に限っては、ふたりとも抑制のきいた芝居で凄みすらある。特にアル・パチーノの寝不足芝居はスゴイ。近来希にみる名演ではなかろうか。
それよりもスゴイのは地元の若手警官の役で、ドーマーを追いつめるヒラリー・スワンクである。この映画では彼女が真の主役といってもいいほど。
というわけで舞台劇を見るような迫力には満ちているが、映画的興奮はほとんど感じられなかった。
白夜ってどんな感じなんだろう。一度実際に味わってみたい。そんな気持ちにはさせる映画ではあった。







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